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交差適合試験(クロスマッチ)

交差適合試験とは?

輸血前に行う検査で、患者と輸血製剤との適合性を調べる検査のこと。
クロスマッチテスト(通称:クロス)とも呼ばれる。

交差適合試験の目的

血液型不適合による重大な副作用が起こるのを防ぐため、実施する。

もし、血液型不適合の血液製剤を患者に輸血してしまうと、患者の血液と輸血製剤が抗体抗原反応(異物を排除する生体の反応)を起こし、凝集や溶血が引き起こされ、ショックやDICから死に至ることもある。

血液型に関わる抗体と抗原

輸血時に行う検査を理解するためには、まず血液型に関わる抗体と抗原の関係を知る必要があるため、まずは人の血液型はどのように決定するのかを見ていく。

1、ABO血液型

ABO血液型は、赤血球がもつA・B2種類の抗原と、血清中の抗A・抗B抗体の2種類の組み合わせによって次のように決定する。

血液型に関わる抗原と抗体

A型であれば赤血球中に抗原A、血清中に抗B抗体をもっているいて、逆にB型は、赤血球中に抗原B、血清中に抗A抗体をもっている。
O型は、赤血球中に抗原A・Bはなく、血清中に抗A・抗B抗体が存在していて、AB型は抗原A・Bをもち、血清中に抗A・B抗体がない。

2、Rh血液型

A・B抗原の組み合わせにより決まるABO血液型だけではなく、赤血球上にD抗原があるかないかで決まるRh血液型がある。
Rh血液型は、D抗原がある『Rh陽性』、D抗原がない『Rh陰性』に分かれるが、日本人の99.5%はRh陽性と言われている。

輸血前に実施する検査

今見てきたように、血液型により保有する抗原・抗体は違うため、輸血時には、輸血用製剤と患者のABO型・Rh血液型を検査し、それぞれが適合するものを使用しなければならない。

ABO血液型試験

検査は、患者の血液と試薬(血清や血球)を使用し、肉眼で赤血球の凝集をチェックする。この検査は原則、赤血球の抗原をチェックする「オモテ試験」と血清中の抗体をチェックする「ウラ試験」を行い、2つの検査結果が一致することで、最終的にABO型が判定される。

血液型を調べる検査

オモテ試験
抗A・抗B抗体(試薬)に患者の赤血球を滴下し、赤血球の反応(=凝集)をみる。
A型:A抗原を保有しているため、抗A抗体と反応(+)
B型:B抗原を保有しているため、抗B抗体と反応(+)
O型:A抗原・B抗原どちらも保有していないため、どちらの抗体とも反応(-)
AB型:A抗原・B抗原どちらも保有しているため、どちらの抗体とも反応(+)
オモテ試験 凝集とは
ウラ試験
患者の血清とABO型の赤血球試薬を滴下し、赤血球の反応(=凝集)をみる。
A型:A血球・O血球で反応なし。B血球で反応あり。
B型:B血球・O血球で反応なし。A血球で反応あり。
O型:O血球で反応なし。A血球・B血球で反応あり。
AB型:A血球・B血球・O血球すべてで反応なし。
クロスマッチウラ試験

Rh血液型D抗原検査

Rh血液型に関わるD抗体の有無を検査するときには、抗D抗体と反応させる検査の他に、偽陽性が出ていないかの確認のために、Rhコントロール試薬(抗D抗体液からD抗体のみを除去した液)を反応させる対象試験が行われる。

Rh血液型D抗体検査

Rh血液型D抗原検査

不規則抗体スクリーニング検査

『血液型に関わる抗原と抗体』のところで説明した通り、A型には抗B抗体、O型の人には抗A・抗B抗体が存在している。このように抗原に対して規則的に存在する抗体を規則性抗体と言い、この規則に反して存在する抗体を不規則抗体と言う。

輸血をしていたり、妊娠・出産経験がある人は、この不規則抗体を保有している可能性が2%程度あり、不規則抗体に反応する赤血球を輸血してしまうと、抗原抗体反応により溶血を引き起こす危険性があるので、事前に試薬を用いてチェックする。

交差適合試験(クロスマッチ)

溶血性副作用を防止のための最終的な検査!

実際に患者の血液輸血用血液との反応をみる交差適合試験(クロスマッチ検査)を行い、抗原抗体反応を起こさない製剤かを1パックごとにチェックする。

交差適合試験クロスマッチ

1、主試験
患者の血清と、輸血用血液の血球を反応させる。
2、副試験
患者の血球と、輸血用血液の血清を反応させる。
(3、陰性対象試験)
確認のための対象試験として、患者の血球と血清を反応させる。

<交差適合試験結果の解釈>
交差適合試験の結果

輸血前の血液型検査・交差適合試験の看護手順

必要物品

看護手順

  1. 患者へ、輸血のための血液型検査と輸血用血液との適合性を調べる検査であることを伝え、同意を得る。
    血液型検査と交差適合試験は、検体間違えによるABO不適合輸血を防止するために、別の時点または部位で採血された検体を用いる必要がある。つまり、1回の採血で採取された血液を2本のスピッツに分注するのはNG!
  2. 採血時には、ネームバンド・患者のフルネーム・生年月日で本人確認を行い、検体ラベルと一致するか確認する。
  3. 通常の採血同様、採血を行う。
  4. 輸血用のルート(20G以上)が留置されていない場合には、ルートを入れる時に、そこから採血を行うと患者への負担も少ない。
  5. 検査室へ検体を提出する。
  6. 輸血実施前には、原則この交差適合試験の結果を確認して輸血を実施する。

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