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心電図ーイオンチャネルと電気活動

イオンチャネルとは?

細胞内外をK、Na、Caイオンが出入りしている経路のことをイオンチャネルという。 このイオンチャネルの出入りによって、電気が発生して心臓が興奮・収縮している。

イオンチャネルとポンプ

心臓のポンプ機能を果たす作業心筋(心房筋と心室筋)の細胞膜にはチャネルとポンプ2つの出入りする場所がある。
この各ポンプ・チャネルをイオンが出入りすることで電気が発生する。

Na-K交換ポンプ
常にATPエネルギーを使ってNaを出してKを入れている
Kチャネル
一定の濃度に保つため、常にKを細胞外へ出している。
Naチャネル
刺激をうけたら電位の低い細胞内へNaを入れる。
Caチャネル
細胞内電位がプラスになったら細胞内へCaを入れる。

作業心筋の電気活動

1、分極(静止)

分極時のイオンの動き分極時の波形

刺激のない状態では、Kイオンは、Kポンプを伝い、常に細胞外へ出続けている状態。Kはプラスイオンなのでプラスが出続けるということは、細胞内の電位を下げていることになる。この細胞内がマイナス電位を保っている状態を静止膜電位といい、約-80mVを維持している。
中がマイナス、外がプラスに分かれているこの状態を、分極という。

分極している心筋は、静止している状態で、心電図波形はフラットな状態となっている。(※右図の波形は、1つの細胞内での電位の動きで心臓全体をみている心電図とは波形が違う。)

2、脱分極(始まり)

脱分極時のイオンの動き脱分極時の波形

刺激伝導系からの刺激を心筋細胞が与えられると、Naチャネルが開口し、マイナスの電位に引っ張られて、一気にNaイオンが細胞内へ流れ込む。
このとき、細胞から出るKより、細胞に入るNaのほうが多くなるので、細胞内の電位は一気に逆転。細胞内がプラスの電位になると、心筋が収縮し始める。
心筋細胞内がプラスの電位となることを、脱分極という。

この時、隣あう細胞同士の電位の差で次々に脱分極を始めるため、 心電図波形はQRSを作り上向き波形となる。

脱分極(続く)

脱分極時のイオンの動き 脱分極時の波形

Naチャンネルは、分極(細胞内がマイナス)状態で開口するため、脱分極するとすぐに閉じる。 Caチャンネルは、細胞内がプラスの電位になると開口するため、Naに続いてCaが流れ込む。このとき、チャンネルから出続けるKとほぼ同じ量のCaが入るので、電位は変化せず、高い電位を保ち収縮し続ける。

そのため、細胞内電位の波形は横向きとなり、心電図波形では上下に変化しないST区間にあたる。

※心拍出量を増やしたいときには、Caたくさん入り、収縮力をアップさせる。
つまり、スターリングの法則もCaの働きによるもの!

再分極

再分極時のイオンの動き 再分極時の波形

Caチャネルが閉じ、Caが入らなくなると、Kが出てきて電位が下がる。
細胞内の電位は、静止膜電位の約-80mVを目指し再度マイナスになる(=再分極)。 このとき、心筋の収縮は終わり、心筋が弛緩して拡張するのだが、心電図上では、Kが一時的に多量に流出ため、T波を形成する。

Kが出るならT波は陰性になるのでは?と思うが、脱分極は心臓の内側から、再分極は心臓の外側から始まるため、電位が外側から順に低くなり、電流は高いところから低いところに流れるため、結果、電流は内側→外側に流れる。
そのため、心電図では、向かってくる電気で上向き波形として現れる。

刺激伝導系での電気活動

上記で説明してきた通り、固有心筋(心房筋や心室筋)は、刺激伝導系から得られる刺激で脱分極し収縮するが、特殊心筋(刺激伝導系)は、どのように脱分極するのか? これは、特殊心筋にはCaイオンが常に入ってきていて、一定の濃度まで上昇してひとりでに脱分極している。

特殊心筋の中でも、洞結節が最も電位が上がりやすいため、一番脱分極し、発生した電気刺激を、作業心筋へ伝えることになる。

刺激伝導系のイオンの動き刺激伝導系のイオン

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