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輸血の基本

輸血の目的

疾患や治療(化学療法や手術)、外傷によって欠乏した血液または血液成分の一部を補うために行う治療法。

輸血の基本(Ⅰ)輸血の種類

血液型による種類

輸血用の血液製剤は、血液型やD型(Rho)が陰性(-)・陽性(+)によって違い、取り間違えて投与してしまえば、死亡に至るケースもあるため、慎重に取り扱う必要がある。

ラベルを見て血液型を認識しやすいようA型・B型・O型・AB型の血液型によって、輸血ラベルの色が異なっていることも覚えておくと良い。

輸血ラベルの色

資料:日本赤十字ホームページhttp://www.jrc.or.jp/mr/product/list/より

製剤の種類

輸血というと、出血時に多く用いられるイメージだが、出血時以外にも使用されることは多々あるので、それぞれの製剤の特徴や適応を覚えておく。

1、全血製剤

全血製剤

成分:血液に保存液を加えたもの。
略語:WB
適応:大量輸血時など
※適応の根拠が明らかにならないことから、現在はほとんど使用されることはない
貯蔵:2~6℃で貯蔵
日持ち:採血後21日間

2、赤血球製剤

赤血球製剤

成分:血液から血漿・白血球・血小板を取り除いたもの。
略語:RBC(アールビーシー)

赤血球製剤は、MAP、RCCなどの略語が使用されていたが、H26年8月供給分からにRBCという名称に変更になっている!

適応:出血、慢性貧血など
貯蔵:2~6℃で貯蔵
日持ち:採血後21日間

3、血漿製剤

血漿製剤

成分:血液から凝固因子が含まれる血漿を取り出したもの。
略語:FFP(エフエフピー)
適応:凝固因子欠乏により、出血傾向を認める場合
貯蔵:-20℃以下
日持ち:採血後1年間、溶解後3時間

FFPは-20℃保存で凍った状態なので、使用時は湯銭で融解して使用する。
湯銭の温度は高すぎても低すぎても変性や沈殿が生じるため、30~37度の温度で適切に融解する!
適切に融解すれば、約30分で使用できるようになる。

4、血小板製剤

血小板製剤

成分:止血機能を持つ血小板を取り出したもの。
略語:PC
適応:なんらかの理由で血小板が減少した場合、血小板減少による出血の防止
貯蔵:20~24℃で水平振とう
日持ち:採血後4日間

輸血の基本(Ⅱ)ラベルからわかること

輸血のラベルには、略語や数字が記載されていて、それぞれの意味がわからないと、製剤の特徴や内容量を理解できないため、ラベルを見てどのような製剤かしっかり把握できるようにしておくことが大切!

<RBC製剤の一例>

輸血のラベルからわかること

①血液型・②D型

最初に説明した通り、ラベルには血液型とD型が記載されている。
輸血前には必ず患者さんの血液型、D型と間違いがないか確認を行う!

③パック内の容量

どの血液製剤も、内容量に数種類の規格があるため、パックに何単位または何ml入っているか記載されている。

上図の場合、RBCが『1』単位入っているということ。
RBCの1単位は、血液200mlを遠心分離にかけて血漿・白血球・血小板を取り除いた後、保存液などを加えたもので、原則的に内容量は140mlになる。
そのため、滴下数を計算するときには、140ml(2単位だと280ml)をどのくらいの時間で落とすか計算すればOK!

その他製剤の単位数の見方は下の表参照。

各製剤の1単位の用量
WB(全血) 200ml/単位
FFP(血漿) 120ml/単位
PC(血小板) 20ml/単位

④LR

LR=白血球除去済みの略語。
なぜ白血球を除去しているのかというと、白血球の免疫反応により発熱などの副作用が出現する可能性あるため、リスクを減らすために除去されている。

⑤Ir

Ir=放射線照射の略語。
現在のところ、新鮮凍結血漿を除く輸血血液製剤には、15~50Gyの放射線を照射している。なぜ放射線を照射しているのかというと、白血球を除去するのと同じように副作用を抑えるため。
この場合、リンパ球の増殖機能を抑制することができるため、輸血後GVHD(移植片対宿主病)というリンパ球が自らの臓器を攻撃し、致死的な経過をたどる重大な副作用を押さえることができる。

放射線照射赤血球製剤は、放射線照射していない製剤に比べカリウム濃度が増加している。
そのため、大量輸血を行ったときには、排泄が追いつかず高カリウム血症を生じる場合があるため、血液データや心電図モニターに注意して観察する!
→高カリウム血症の病態生理

⑥製剤の有効期限

各製剤には有効期限があり、有効期限が過ぎた製剤はもちろん投与することはできないため、投与前に必ずチェックする。

⑦製剤の製造番号

血液型や製剤の種類、内容量が同じであっても、患者とクロスマッチがされた製剤かどうかはこの製造番号を見ないと正確にはわかならい。

そのため、投与前には製剤番号まで必ずダブルチェックする!

輸血の基本(Ⅲ)輸血の副作用

溶血性副作用(HTR)

赤血球が破壊されることで内容物であるヘモグロビンが放出される病態で、ショック・DIC・急性腎不全などから死に至ることもある。
輸血後24時間以内に現れる急性溶血性副作用と、輸血後24時間~数日経過してから現れる遅発性溶血性副作用に分類される。

患者の抗体と輸血製剤の抗原が反応することで起きることが多く、血液型不適合(例えばA型にB型の製剤を輸血した場合など)が原因の大部分を占める。

<主な症状>

非溶血性副作用

発熱
輸血製剤は、人から採取したものであり、様々な抗体・抗原・炎症性物質・アレルゲンが含まれている可能性があり、それらに反応にして発熱する場合がある。

現在は、白血球除去(LR)によりこの副作用に対する対策は取られているが、100%除去できているわけではない。

症状は輸血中~輸血数時間経過してから出現することが多く、急性溶血性副作用との鑑別を行う必要があるため、発熱時は直ちに輸血を中止する。
アレルギー反応
掻痒感や蕁麻疹など皮膚粘膜症状のみを呈するアレルギー反応から、呼吸器症状を伴うアナフィラキシーショックまで症状は幅広い。

輸血直後~10分以内に発症することが多いため、開始直後は特に患者の訴えや皮膚症状、呼吸器症状、バイタルサインに注意し観察を行う。
輸血後GVHD(移植片対宿主病)
輸血製剤に含まれたのリンパ球が、患者の体組織を攻撃する病態で、発症すれば致命的。
輸血製剤の放射線照射により、2000年以降発症の報告はない。
輸血関連急性肺障害(TRALI)
白血球の免疫反応により肺の毛細血管の透過性亢進し、発症するとされている。
日本の血液製剤は、白血球除去が行われているため、発症の可能性は低いとされているが、発症した場合にはただちに輸血を中止する。

症状は、輸血後6時間以内に低酸素血症、両側肺水腫、発熱、血圧低下などがみられる。前負荷増大に伴い心不全を引き起こすこともあるため、症状出現時には心不全鑑別が必要となる。

輸血感染症

血液提供者が保持していたり、採血時に混入したウイルス・寄生虫・細菌が、輸血者に感染した病態。

検査によりHBV、HCV、HIVなどのウイルスはチェックされているが、血液提供者が感染したばかりだと、陽性反応がでない場合もあるため、感染する可能性はゼロではない。

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