異型狭心症(冠攣縮狭心症)

目次

異型狭心症とは?

なんらかの決まったきっかけにより、冠動脈の痙攣が起こり、一過性または完全閉塞し、心筋虚血を呈する。

原因と病態

冠攣縮は、副交感神経の刺激動脈硬化による内皮細胞からの一酸化窒素産出の低下が原因となり、一過性に冠動脈に過度な収縮が起こると考えられている。

異型狭心症の血管が狭まったイメージ図

動脈硬化による一酸化窒素の産出については『虚血性心疾患』のページ参照。

症状

・安静時に起きる胸痛(数分~15分程度持続)

検査データ

・心電図で、発作時のみST上昇
・心筋障害マーカーの上昇なし

診断

発作が起きているときでないと、診断できない。
発作時に心電図や心エコーをできればよいが、そうでなければ24時間ホルター心電図で監視するか、心臓カテーテル検査でアセチルコリン負荷試験などを行わなければいけない。

治療

  • 発作時
    硝酸薬の舌下
  • 非発作時
    ・長時間作用型の硝酸薬
    ・Ca拮抗薬
    ・ニコランジル(シグマート)投与…硝酸薬に近い薬効。

ニコランジル(シグマート)と硝酸薬の違い
硝酸薬は、肝臓で100%代謝されるため、経口投与では全身を回らないので意味がなく、舌下投与しなければならない。
一方、シグマートは肝臓での耐久性が硝酸薬より高いので、経口投与が可能で、かつ冠動脈への選択制を高め、全身の血管拡張作用が弱くなっているので、血圧低下が少なく、日常的に使いやすいという利点がある。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次