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外傷性肩関節脱臼

外傷性肩関節脱臼とは?

肩関節の解剖
<肩関節の解剖>

肩関節は、肩甲骨関節窩に上腕骨頭が乗っているような構造で、取り囲む筋肉や靭帯で支えられて安定性を保っているのだけなので、最も脱臼しやすい関節と言える。そんな肩関節に、転倒や激しい接触によって外力が加わると、肩甲骨関節窩から上腕骨頭が外れてしまい、外傷性肩関節脱臼を起こす。

また、肩関節脱臼時すると、肩関節を支えている関節唇(軟骨)や靭帯・関節包を損傷してしまうため、1度脱臼すると、肩関節が不安定になり脱臼を繰り返しやすくなる反復性肩関節脱臼)。

外傷性肩関節脱臼の原因

肩関節脱臼は、転倒や転落、コンタクトスポーツ(柔道・ラグビーなど)で肩関節が外転・外旋・水平転位したときに生じることが多い(前方脱臼の場合)。

外傷性肩関節脱臼の分類

肩関節、前方脱臼、後方脱臼

前方脱臼

上腕骨頭が前方に移動する脱臼で、全体の95%以上を占める。

後方脱臼

上腕骨頭が後方に移動する脱臼で、全体の5%以下と稀な脱臼。

外傷性肩関節脱臼の症状

外傷性肩関節脱臼の検査と診断

X線・CT撮影

X線撮影で脱臼の確定診断ができる。脱臼の際に、以下のような骨折が合併することが多いため、骨折の評価のためにCT撮影を行う場合もある。

ヒル・サックス(Hill-Sachs)損傷
上腕骨頭の外側後方に生じた陥没骨折。

ヒル・サックス損傷
バンカート(Bankart)損傷
関節窩前下部の関節唇に生じる剥離・欠損のこと。関節窩に骨折を伴うものは、骨性バンカート損傷という。

バンカート損傷

MRI関節造影

関節内に造影剤を注入してMRI撮影する検査で、骨から軟部組織(靭帯・腱・関節唇・筋肉など)の損傷まで描出することができる。

外傷性肩関節脱臼の治療

徒手整復

脱臼を戻す処置である徒手整復は、患者の状態や医師の判断により、無麻酔か局所麻酔、または鎮静下で行われる。一般的には、麻酔をして筋肉の力を抜いたほうが整復しやすいとされている。

挙上法
仰臥位の状態で、患者の患側の上肢を前方に挙上し、牽引しながら少しずつ外転させていく方法。
ヒポクラテス法
患者の腋窩に術者の足を入れて下方に引く方法。
Stimson法
患者に腹臥位で寝てもらい、患側の肩と上肢をベッドからおろした状態で、手関節に重りをつけて徐々に整復していく方法。
整復後は、三角巾とバストバンド等で3週間以上固定を行う。

手術

脱臼を繰り返し、日常生活やスポーツ活動に支障がある場合には、軟部組織(靭帯や関節包、関節唇など)の損傷が考えられるため、手術で修復することもある。

手術は、少し前までは直視下手術が主流だったが、近年は内視鏡手術が行われることが多くなっている。

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