与薬ー貼付剤
貼付剤(ちょうふざい)とは?
皮膚に貼ることで、経皮的に薬を吸収させて薬効を期待する薬。
貼付剤の特徴
貼付剤の利点
貼付剤の欠点
- 薬物の吸収が遅い
- 貼付により、皮膚剥離・接触性皮膚炎を生じることがある
- 血中濃度が一定のため、耐性ができる
- 貼付を中止しても、薬効の消失が遅い
貼付剤の種類
テープ剤(経皮吸収性剤)
貼付した部位から経皮的に薬を吸収させて、血液を介して全身への作用を期待する薬。
代表的なテープ剤
狭心症治療薬 |
フランドルテープ
ニトロダームTTS |
気管支拡張薬 |
ホクナリンテープ |
局所麻酔薬 |
ユーパッチテープ |
麻薬性鎮痛薬 |
デュロテップパッチ |
湿布剤
炎症や疼痛がある部位に薬剤を貼付し、局所的に薬効を期待する薬。
代表的な湿布剤
温湿布 |
MS温シップ |
冷湿布 |
MS冷シップ |
パップ剤 |
ロキソニンパップ |
貼付剤の貼付部位
湿布剤は局所的な効果を期待するもので、効果を期待する部位に貼付すれば良いのだが、テープ剤はいくつかの留意点があり、主に次の部位に貼付する。

貼付部位の留意点
- 剥がれにくい部位を選択する
- 角質が厚くない部位を選択する(足の裏はダメ)
- 創傷がある部位は、吸収率が変化するため貼付しない
- 患者が剥がしてしまう場合は、手の届かない部位に貼る
- 皮膚損傷を避けるため、前回とは別の部位に貼る
貼付剤貼付の看護手順
必要物品
- 貼付剤
- トレイ
- 油性マジック
- ディスポ手袋
- 処方指示箋
- 必要時、保護フィルムや医療法テープ
手順・手技
- 処方指示箋を見ながら、必要物品を準備する。
処方指示箋と薬剤を照らし合わせながら、患者指名・日付・薬品名・投与量・投与時間・投与方法を確認する!
- 必要物品をもち患者の元へ行く。
- 患者に目的と薬の内容を説明。
- 患者にフルネーム・生年月日を名乗ってもらうか、バーコードで本人確認を行う。
- 古い貼付剤をはがし、皮膚トラブル(発赤・発疹・水泡・掻痒感など)がないか確認する。
- 貼付部位を決めたら、貼付部位の皮膚を清拭して、皮脂や汗を取り除く。
- 貼付剤に貼付する日時を油性マジックで記入し、貼付剤を貼る。
この時、看護師の手に薬剤面が触れないように注意する。
- 患者が自分で剥がしたりする場合には、手の届かないところに貼るか、医療用テープやフィルム剤を使って固定する。
- 患者の衣類を整え、後片付けを行う。
- アレルギーなどの副作用の観察を行う。