骨髄内輸液―骨髄針の使用方法

目次

骨髄内輸液とは

緊急時に末梢静脈確保が難しいときに、骨髄に針を穿刺し、そこから薬剤を投与するもの。

適応

  • 心肺停止やショック時など、至急に補液・薬剤投与を行いたい場合。
  • 静脈確保が難しい場合。

骨髄針について

NIHON KODENさんの骨髄針


↑写真:NIHON KODENさんの骨髄針

骨に針をグリグリと差し込む骨髄針もあるが、写真の骨髄キットは押し付けるだけで針が勢いよく出るので、緊急時でも簡便に使用でき、今主流となってきている。

現時点で、看護師は骨髄針を穿刺できません。

使用方法

成人の場合

  1. 穿刺部位を選定
    →処置や心肺蘇生に邪魔にならないようにする。
    第一選択は脛骨結節の2cm内側、1cm近位の部位
    その他、大腿骨遠位部、脛骨内果上、脛骨外果上、とう骨遠位部、尺骨遠位部などにも穿刺可能。
骨髄針の穿刺部位イメージ
  1. 消毒(アルコール消毒でOK)
  2. 青側を片手でしっかり固定し、穿刺部位に90度になるよう保持。
  3. 片手でしっかりとキットを固定したまま、反対の手で安全ピンを抜く。
  4. 片手の固定はそのまま、もう片方の手のひらでキット(グレーの方)を上からぐっと押し付ける。するとパチン!と針が発射。
  5. 発射後、内筒針を引きぬくと、外筒針だけ骨内に残る。
  6. さっき抜いた安全ピンを外筒針の横から挟む。
  7. あとは針の周りをテープで固定。
  8. 10ccのシリンジで髄液の逆流を確認。
  9. 確認できたら生食10㏄で勢いよくフラッシュ。
  10. ルートは末梢静脈からいつもつかっているルートを接続すればOK。

小児の場合

  1. 穿刺位置の選定
    処置や心肺蘇生に邪魔にならないようにする。
    6歳以下は脛骨結節の1cm内側、1cm遠位の部位
    6~12歳は腓骨結節から1~2cm内側、1~2cm遠位の部位 その他、大腿骨遠位部、脛骨内果上、脛骨外果上、とう骨遠位部、尺骨遠位部などにも穿刺可能。
  2. 使用する年齢に応じて深さを調節。
    ※キットの中心に年齢が書いたメモリがあり、クルクル回して年齢設定すると、針の長さが自動調整される。
骨髄針の深さ
0~3歳0.5~1.0㎝
3~6歳1.0~1.5㎝
6~12歳1.5㎝
年齢別の骨髄針の深さ
  1. 赤側を片手でしっかり固定し、穿刺部位に90度になるよう保持。
  2. 片手でしっかりとキットを固定したまま、反対の手で安全ピンを抜く。
  3. 片手の固定はそのまま、もう片方の手のひらでキット(グレーの方)を上からぐっと押し付ける。 するとパチン!と針が発射。
  4. 発射後、内筒針を引きぬくと、外筒針だけ骨内に残る。
  5. さっき抜いた安全ピンを外筒針の横から挟む。
  6. あとは針の周りをテープで固定。
  7. 5ccくらいのシリンジで髄液の逆流を確認 。
  8. 確認できたら生食5㏄くらいで勢いよくフラッシュ。
  9. ルートは末梢静脈からいつもつかっているルートを差し込み流せばOK。
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