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Ccr検査とは?
筋肉で分解されたて生じたクレアチニンは、腎臓で濾過されて、尿細管で再吸収されずに100%尿中に排泄される。Ccrとは、血中のクレアチニンと尿中のクレアチニンの値を測定することで、腎臓での老廃物の排泄能力を評価する検査のこと。
クレアチニン・クリアランス(Ccr)を求める計算式
※クレアチニン・クリアランス(Ccr)値は、糸球体でのろ過機能を評価するものであり、糸球体ろ過量(1分間に糸球体からろ過される血漿量=GFR)にほぼ相当すると考えられる。
Ccrの目的
腎機能は採血でもある程度評価できるが、軽度の腎機能障害は発見することはできない。Ccrは採血だけでは発見することが出来ない腎機能障害も精密に評価できる方法であり、腎機能障害が疑われた場合に実施される。
Ccrの基準値
クレアチニン(Cr)は、アミノ酸が筋肉で分解されて生じた老廃物であり、筋肉量により値は変化するため、年齢や性別によって基準値は異なる。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
40歳以下 | 116.5±5.1 | 115.0±3.9 |
41~50歳 | 109.7±5.1 | 92.0±4.1 |
51~60歳 | 97.6±5.5 | 83.5±4.6 |
61~70歳 | 96.1±6.0 | 78.1±3.2 |
71歳以上 | 85.0±6.5 |
高値 | 妊娠、糖尿病、激しい運動後、 高蛋白の多量摂取、浸透圧利尿薬投与後など |
---|---|
低値 | 腎疾患(慢性腎炎、急性腎炎、糖尿病性腎症、腎盂腎炎など) 尿の通過障害(尿管結石、前立腺肥大、前立腺腫瘍 神経因性膀胱、膀胱尿管逆流など) 腎疾患意外の要因(心不全、肝不全、降圧、脱水、ショック 昇圧剤の多量投与、蛋白質の摂取不足など) |
Ccrの検査方法
24時間法
- 検査開始前には完全排尿してもらい、その後出た尿から畜尿を開始してもらう。
- 翌日の同時刻まで24時間畜尿を続けてもらう。
- 畜尿中に1回採血を行う。(空腹時が望ましい)
- 24時間畜尿した尿をよくかき混ぜて、一部を採取。
- 尿量を記載した採取した尿検体、採血検体を検査室へ提出する。
1時間法
- 排尿後に500mlの水を飲んでもらう。
- 飲水後、1時間後に排尿してもらいその後検査開始となる。
- 開始30分後に採血を1回を行う。
- 開始1時間後に完全排尿しそれを畜尿し、一部を採取する。
- 尿量を記載した尿検体と、採血検体を検査室へ提出する。
看護ポイント
検査前
- 患者へ事前に検査の目的、方法を説明しておく。
- 手技や理解力が十分でなく、蓄尿が困難な場合には、導尿や膀胱留置カテーテルを検討する。
- トイレが遠いなど、苦痛を生じる場合には、ポータブルトイレの設置などを考慮する。
検査中
- 畜尿の不便はないか、苦痛を症いていないか適宜確認する。
- 過度な運動や高蛋白の食事を避け、できるだけ安静にする。
検査後
- 尿量を記載することを忘れずに、尿・採血検体を検査室へ提出する。