リンゲル液は細胞外液(血漿)に近づけて作られた、等張電解質補液製剤だが、1号~4号液は、生理食塩水と5%ブドウ糖を混ぜて作った低張液(※1)。
1~4号液の違いは、生理食塩水と5%ブドウ糖の比率によるものなので、Na濃度が違ってくる。
目次
※1、低張液・高張液・等張液とは?
細胞内液と外液は半透膜という細胞膜で仕切られている。
この半透膜は分子の大きいものは通すことができないため、水分を移動させて濃度を一定に保とうとする働きがある。
例えば、濃度の低い輸液(低張液)を体内に入れると、細胞内のほうが水分が少ないため、細胞外から細胞内へ水分が移動し、細胞が膨張する。
つまり、
・高張液:細胞内液より濃い=細胞内液より水を引っ張る力が強いもの。
・低張液:細胞内液より薄い=細胞内液より水を引っ張る力が弱いもの。
・等張液:細胞内液と水を引っ張る力が同じもの。
1号液(開始液)
0.9%の生理食塩水を水で半分に薄めたもの。 カリウムKを含まないので、腎機能障害があるときに使われる。
2号液(脱水補給液)
Na、Clの含有量は1号液と変わりないが、カリウムKやリンPなどの電解質を含む。 低張性脱水に用いられ、腎機能障害や高K血症には用いない。
3号液(維持液)
Na、Clの濃度は1号、2号の半分程度で、Kを含む。 これは、1.5~2.0L/日投与すれば、必要な水と電解質が補充できるとされているため、経口摂取困難なときに一番選択される補液。
4号液
3号液からNa、Clをさらに減らし、Kを抜いたもの。 手術後や高K血症、腎機能障害にも用いられる。