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胸腔と胸郭の構造
肺は胸腔内にあり、その胸腔の側壁は、胸郭とよばれる骨格(肋骨・胸骨・胸椎)で、下は横隔膜で形成されている。
肺は臓側胸膜(ぞうそくきょうまく)で覆われ、肋骨の内側は壁側胸膜(へきそくきょうまく)で覆われていて、この2つの膜は、肺門部でつながっている。
この臓側胸膜と壁側胸膜の間を胸膜腔と呼び、胸膜からは漿液性の液が分泌されていて、胸膜腔に少量の胸水をつくり、周りの摩擦を小さくしている。
つまり、肺炎や肺うっ血によって過剰に胸水がたまるのは、臓側胸膜と壁側胸膜の間の胸膜腔で、胸膜腔に胸水が過剰にたまると、肺が圧迫され、呼吸が妨げられてしまう。
ちなみに気胸の場合も、胸腔内の胸膜腔に空気が漏れた状態をいう。
肺の構造
肺は胸腔内にある、臓器の一つ。 10:8の割合で、右肺の方が大きく、左肺は心臓がやや左寄りに位置している分小さい。 肺の上の尖った方を、肺尖(はいせん) 下の広くなっている方を、肺底(はいてい)という。 内側面で気管支が出入りしている部分は肺門(はいもん)という。 肺は、裂け目があり、斜めに裂ける目を斜裂(しゃれつ) 水平に裂ける目を水平裂(すいへいれつ)という。 その裂け目にそって右肺は上葉・中葉・下葉の3つに 左肺は上葉・下葉の2つに分かれている。
肺と肋骨の位置
この斜裂と水平裂は肋骨の位置から推測することができる。
鎖骨内側1/3より2~3㎝上が肺尖の位置で、右上葉と中葉の間を走る水平裂は第4肋間にそっている。
中葉と下葉を通る斜裂は右鎖骨中央線上の第6肋骨から始まり、第5肋間をとおり背部へ向かう。背部では水平裂とぶつかり、第3胸椎棘突起で終わる。肺底はおおよそ第6肋骨の高さ。
左上葉と下葉を分ける斜裂は、左鎖骨中央線上の第6肋骨から始まり、右斜裂より少し急な角度で第3棘突起まで走る。