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胸骨圧迫の目的
冠血流と脳血流を維持し、心拍の再開を促すのとともに、脳障害を最小限にするために行われる。 適切な胸骨圧迫によって、通常の30~40%の心拍出量をえることができる。
胸骨圧迫の適応
心停止時(Asystole、PEA、VF、無脈性VT)、呼吸停止時
胸骨圧迫の部位
肘をまっすぐに伸ばし、胸骨の下半分(左右乳首の真ん中)に両手を重ねておく。ことのき、腕と胸骨が垂直になるようにし、自分の体重を乗せるよう圧迫する。
効果的な胸骨圧迫のポイント
- 1分間に100回以上の早さで、胸骨が5cm沈むよう圧迫。
- 1回圧迫したら、胸骨を元の位置に戻すようにしっかり圧迫を解除してから、次の圧迫を行う。
- BVMが到着したら、30回の胸骨圧迫に対し、2回換気を交互に行う(同期)。
- 気管挿管後は、換気とは関係なく、100回/分の速さで絶え間なく行う(非同期)。
- 胸骨圧迫の中断は10秒以内!!
- かなり疲れる手技で、疲れると効果的な胸骨圧迫が行えないので、こまめに交代しながら行う!
胸骨圧迫の合併症
肋骨骨折、気胸、血胸、肺挫創、肝損傷、脾損傷などがある。 適切な位置を圧迫することで合併症を予防することはできるが、完全に避けることは難しい。