腹腔ドレーン(3) 合併症とトラブル

目次

腹腔ドレーンの合併症

腹腔ドレーン挿入は術後出血や消化管の漏れなどの術後合併症の早期発見の目的で挿入されており、ドレーン挿入に伴う合併症というよりも、術後合併症に対する観察とアセスメントが必要となる。

排液の変化からわかる術後合併症

膵液瘻

膵液が腹腔内へ漏れることを言うが、それ自体は大きな害にはならない。 しかし消化液と混ざることで組織を融解させるため、出血や感染、縫合不全の原因となる。

膵液瘻は、白色の排液となったり、胆汁と混ざることで淡黄色となったり、組織の融解により赤ワイン色となり、どれも酸っぱい臭いがする。色だけでは判断が難しいが、アミラーゼ値の上昇をみることで膵液瘻と断定することができる。

膵液瘻をみとめる術後合併症

・リンパ節郭清に伴う胃切除の膵臓損傷時
・膵頭十二指腸切除後の縫合不全
・肝切除時の胆道損傷

胆汁瘻

胆汁が腹腔内へ漏れることを言うが、これもそれ自体は大きな問題にならず、少量の漏れであればドレナージを継続し、経過観察となることが多い。

胆汁瘻があると、排液は濃黄色となり、ビリルビン値の上昇をみとめる。

胆汁瘻をみとめる術後合併症

・肝切除時の胆道損傷
・胆管切除後の縫合不全

腹腔ドレナージ中のトラブル

ドレーンが完全抜去した!

大きな合併症はないが刺入部から排液が漏れだすことがあるため、ガーゼで保護し、すぐ医師へ報告する。 予防的ドレナージ目的であれば、再挿入することは少ないが、再留置する場合には、透視下で行うため、その準備を行う必要がある。再挿入しない場合には、通常のドレーン抜去時と同様、必要時、孔を縫合し、その後は感染徴候に注意し観察を行う。

ドレーンの接続が外れた!!

これも大きな合併症はないが、逆行性感染の危険性があるためすぐに患者側のドレーンをクランプし、接続部を消毒した再接続する。 接続したらクランプを解除し、低圧持続吸引の場合には陰圧を確認する。

開放式ドレーンが入り込んでしまった!!

通常、安全ピンで固定されているが、もし埋没してしまった場合には、刺入部が見えているときにはペアンやセッシで挟み、引き出す。
引き出すのに抵抗がある場合は、それ以上入り込まないよう挟んで保持したまま、医師へ報告する。 ドレーンが見えない場合には、すぐに医師へ報告する。

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