目次
目的
静脈内へ薬剤を注入する。
適応
- 皮下注射よりも迅速かつ確実に薬効をえる。
- 直接静脈に針を刺し注入、抹消静脈留置針からの注入、点滴三方活栓からの注入を行う。
注射位置
最も一般的な部位は、前腕肘窩静脈の撓側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈であり、神経損傷の危険が少なく、刺入に伴う痛みも少ない。
しかし、撓側皮静脈の奥には、橈骨神経が走行しているため、深く刺入しないよう注意する。
また、尺側皮静脈および肘正中皮静脈付近には、正中神経が走行していることが多いので、前腕や手背を選択するようにする。
続いて、手背の表在静脈が選定される。ただし撓側の手関節付近は、橈骨神経が上層を走行し、穿刺時に橈骨神経損傷を起こしてしまう危険性があるため、避ける必要がある。
手順・手技
- 指示を確認する。
- 手洗いをし、ディスポ手袋を装着する。
- 指示された薬剤の準備をする。
- トレイと酒精綿、詰めた薬剤、絆創膏を持ち患者のもとへ行く。
- 患者に目的と内容を説明。
- 患者にフルネーム(生年月日)を名のってもらうか、バーコード確認を行う。
- 患者の衣類をゆるめ、注射部位を露出し、処置用シーツを敷く。
- 肘関節の下にひじ枕を置く。
- 注射器内に空気が入っていないことを確認する。
- 注射部位よりも5~7㎝上に、駆血帯を巻く。
- 母指を中にし、手を握るように促す。
- 注射部位を消毒する。
- 血管を固定するため、注射部位より5㎝程度抹消の皮膚を、注射器を持たない手の母指で、手前にやや引っ張るように伸展させる。
- 針基に指をかけて固定し、注射器のメモリを注射針の切り口を上方に向けて、注射器と皮膚と役15~20°の角度で血管内に刺入する。
- 患者に手先にかけて痺れや強い痛みはないか確認する。
- 血液が注射器内または翼状針ないに逆流してきたら、内筒を引いて血液の逆流をさらに確認する。
- 針の固定をしっかり行い、他方の手で、薬剤を注入する。
- 薬剤を全部注入し終わったら、酒精綿を注射部位に当てて抜針する。
- 針の抜針部位は、もまずに酒精綿で5分程度圧迫する。
- 物品の片付けを行う。
- 副作用が出ることもあるので、何かあればナースコールするよう伝える。
- 手袋を脱ぎ手洗いする。