胸腔ドレーン(4) 挿入介助

目次

必要物品

  • トロッカーカテーテル(太さ確認)
  • 低圧持続吸引器(メラサキューム)
  • 排液ボトル(アクアシール)
  • 接続チューブ
  • 接続管
  • タイガンorテープ
  • Yガーゼ
  • 消毒用イソジン
  • 消毒用綿球
  • 滅菌手袋、ガウン、マスク、キャップ
  • 滅菌ドレープ
  • 処置用シーツ
  • 縫合セット(持針器、ペアン、ガーゼ)
  • メス(尖刃)
  • 縫合糸、角針
  • 局所麻酔(1%キシロカイン、10㏄注射器、23G針)

低圧持続吸引器の準備

  1. 排液ボトル内の水封室に、指定の水位まで滅菌蒸留水を注入する。(メラサキュームの場合、24㏄)
  2. 排液ボトルを吸引器本体のハンバーに取り付ける。
  3. 吸引器本体から出ている吸引チューブ(青いチューブ)を、排液ボトルの青いポートに接続する。
  4. 準備はここまで。
    胸腔ドレーン挿入後は、下の『胸腔ドレーン挿入手順』の手順13に続く。

胸腔ドレーンの挿入手順

  1. NsDr:患者さんに説明し、同意を得る。
  2. Ns:健側に血圧計、SpO2モニターを装着し、検査前からモニタリングを開始する。
  3. Ns:医師に体位を確認し、体位調整を行う。
    <気胸の場合> 仰臥位・ファーラー位、側臥位
    <胸水の場合> 座位
    ※オーバーベッドテーブルの上に枕を用意し、枕に顔をつけて、両手で枕をかかえてもらう形をとる。このときオーバーベッドテーブルが動かないように固定する。
  4. Ns:挿入部周囲の消毒が必要なため、衣類を脱がせる。
    カーテンは閉め、露出は最小限にバスタオルをかけるなどの配慮を忘れずに。
  5. Ns:処置用シーツを敷く。
  6. Ns:医師が手袋やガウンを装着するので、介助(ガウンテクニック)を行う。
  7. Dr:刺入部の消毒。
  8. Dr:ドレープをかける。
  9. Dr:局所麻酔を行う。
    局所麻酔を無菌操作で渡すか、清潔エリアにロカールコップを用意し、あらかじめ入れておく。
  10. Dr:メスで皮膚切開。ペアンで広げるときも
  11. Dr:ドレーン挿入。
    押される感じがあることを患者へ説明。 気胸のときは、胸腔内に溜まった空気が『スー』と抜ける音が聞こえる。
  12. Dr:皮膚とドレーンを糸で縫合固定。
  13. Ns:医師からコネクター付きの先端を不潔にならないように受け取り、メラサキュームのドレーンポートへ接続。
  14. Ns:医師から吸引圧を聞き、設定する。
  15. Ns:リークや水面の呼吸性移動(フルク)を確認する。
  16. Ns:刺入部にYガーゼを挟み、消毒液を除去した後、テープ固定を行う。
  17. Ns:タイガンでドレーンとチューブの接続を固定。
  18. Ns:患者さんへ挿入終了したこととねぎらいの言葉をかける。
  19. NsDr:レントゲンで挿入位置や肺の拡張を確認。
  20. Ns:後片付け。

排液ボトルの交換方法

  1. 新しい排液ボトルに指定量の滅菌蒸留水を入れ準備する。
  2. 患者の元へ行ったら、まず吸引器の電源をOFF(電源をONのまま交換してもよいがアラームが鳴る可能性がある)
  3. クランプ鉗子を2本、患者の近い位置でかける。
  4. 古い排液ボトルを外す。
    吸引チューブ(青い方)とドレーンチューブ(白い方)の接続を引き上げながら回して外す。
  5. 新しい排液ボトルの吸引チューブとドレーンチューブを、不潔にならないように接続する。
  6. エアリークがないことを確認後、クランプを患者側から解除する。
  7. 電源をつけ、再度吸引圧やアラームの設定を行う。
  8. エアリーク・呼吸性移動の確認を行い、終了。
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