観察のポイント
1、尿量
正常 | 500~2000ml |
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乏尿 | 400ml以下 |
無尿 | 100m以下 |
多尿 | 2500ml以上 |
患者の個人差や、疾患・薬剤による影響もあるため、『患者の正常』を知ることで異常かどうか判断することが大切。
尿量が少なくなると、膀胱・尿道に尿が停滞し、感染のリスクが高まるため、水分摂取を促すなどの対応が必要となる。
また、極端に尿量が低下すれば、カテーテルの閉塞なども原因として考えられるため尿の性状やカテーテルの閉塞・屈曲とともに観察する必要もある。
2、尿の性状
淡黄色~黄色、透明
正常
赤色・褐色
腎臓や尿路に問題あり。糸球体腎炎、尿管結石、尿管・腎腫瘍など。
コーラ・ワイン色
溶血性貧血
乳白色(膿の侵入)
尿路感染症
浮遊物・混濁
尿路感染症
3、カテーテルの屈曲や閉塞の有無
カテーテルが患者の体やベッド柵に挟まって閉塞していか適宜確認する。
また、カテーテル内が浮遊物などで閉塞することもあるので、尿量や浮遊物の量を観察し、閉塞がないか尿の流出を確認する。
4、尿漏れの有無
カテーテルの閉塞やバルーンの滅菌水が減少したことが考えられる。
5、感染症状
発熱、残尿感、血尿、乳白色尿など尿路感染症の兆候がないか観察を行う。カテーテルや畜尿パックが尿道口より上の位置に来ると、逆行性感染を起こすリスクが高まるため、必ず、尿道口よりも下の位置に置く。
6、皮膚状態
長期間、膀胱留置カテーテルを挿入している場合、尿道口・テープ貼布部の皮膚損傷を起こす危険性があるため、固定部位を毎日変え、カテーテルによる同一部位の圧迫を避けるとともに、粘着剤による皮膚まけを予防する。
また、膀胱留置カテーテルの圧迫により、挿入部に潰瘍が発生することもあるため、挿入部の観察を行い、同一部位の圧迫を避けるためにも、固定部位を変える。
看護ケア
清潔の保持
膀胱留置カテーテル挿入中は、毎日陰部洗浄を行い、カテーテルは挿入部から8㎝までの部分を洗浄し、清潔を保つ。入浴が可能な状態であれば、畜尿バックを外し、滅菌キャップをはめた状態で入浴可。終了後には、接続部を消毒してバックに接続する。
畜尿バック内の尿破棄
排尿口が不潔にならないように、尿カメなどに尿破棄し、排尿口を酒精綿で拭いてから元の位置に戻す。
膀胱留置カテーテルの抜去
カテーテル内に溜った尿を畜尿バックへ流したら、固定テープを外して蒸留水を抜いてから静かに引き抜く。抜去後は、尿道口とその周辺を消毒し下着をつける。
膀胱留置カテーテルの交換
カテーテル交換は2~4週間ごとに行う。シリコン製のものであれば、1か月交換不要なものもある。製品や施設より異なるため、要確認。