内視鏡的逆行性胆道膵管造影の略語で、胆道、膵臓の疾患が疑われる患者に対して行われる検査。
カテーテルを十二指腸乳頭に挿入し、胆管・膵管に透視下で造影剤を流し、病変を確認する。
胆嚢、胆管あるいは膵臓の病気を診断するため。
レントゲンを使用するため透視室で行われる。
検査室はERCP単独では、30分~1時間程度かかり、鎮静剤投与後に、口から十二指腸へ内視鏡を入れ、ファーター乳頭から胆管や膵管の中に細いチューブを進めて透視下で造影剤を注入する。
病変が発見できれば、そのまま治療を行うこともある。(ERBDなど)
・急性膵炎ー0.14%
・消化管穿孔ー0.02%
・胆管炎ー0.007%
ERCP合併症である急性膵炎、消化管穿孔、胆管炎の発症の有無を観察する。
発熱や強い腹痛、背部痛、バイタルサインの異常がないか、腹部の圧痛や筋性防御など腹膜刺激症状の有無も確認し、視診・聴診・触診をして注意深く観察する。
異常が認められる場合には、すぐに医師へ報告する。
処置の鎮痛剤としてミタゾラム(ドルミカム)やペンタゾシン(ペンタジン・ソセゴン)が使用される。まず検査終了時には鎮静剤の使用量を必ず把握しておくことが大切。
これらの鎮静剤では、呼吸抑制や舌根沈下がみられるため、検査後には患者の各状況を把握するとともに、全覚醒までSpO2モニター装着しモニタリングする。
舌根沈下があり、気道閉塞を起こしてしまう場合には、肩枕や下顎挙上をして気道開通を図る。
それでも改善されない場合には、医師に相談し鎮静剤の拮抗薬(アネキセート)の使用も考慮する。
ERCP後に経鼻胆道ドレナージを行う場合もある。
その場合には、ドレーン排液の性状や色調とともに、ドレーンの固定や閉塞・屈曲の有無など注意して観察する。