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好中球とは?
好中球とは、5種類ある白血球(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)のうちのひとつで、好中球が白血球の半分を占めている。
好中球の働きは、外部から侵入してきたウイルスや細菌を食べて(貧食作用)、殺す(殺菌作用)がある。その後役目を果たした好中球は、死亡して膿となって体外に排出される。
好中球の成長(分化)
好中球は、骨髄にある造血幹細胞から幹細胞→骨髄前駆細胞→顆粒球・単球系前駆細胞→好中球系前駆細胞→骨髄芽球→前骨髄球→骨髄球→後骨髄球といくつもの分化過程を経て好中球として血中送られるのだが、その好中球も実はまだ未熟で、血中でさらに分化する。
血中に送られて間もない未熟な好中球は、核が桿状(棒状)をしていることから桿状核球(かんじょうかくきゅう:Band/Stab)と呼ばれ、成熟するに従い、核にくびがが出来て分葉化していくため、分葉核球(ぶんようかくきゅう:Seg)と呼ばれる。
左方移動について
感染症では、菌と戦うために成熟した分葉核球がどんどん消費されるので、それを補うために骨髄では新しい好中球が作られる。結果、血中の分葉核球が減って未熟な桿状核球が増えた状態となる。
この状態を、縦軸が細胞数、横軸が分葉数としてグラフにしてみると、正常時に比べて分葉数が減っているので、折れ線の山が左方向へ移動する。
このような現象から、『好中球の左方移動』と呼ばれていて、未熟な桿状核球が増加していることを表している。
好中球の検査値の見方
好中球の検査値は、白血球分画(はっけっきゅうぶんかく)と言って、5種類の白血球(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)がそれぞれ何%存在しているかで表される。
白血球分画における好中球の基準値は以下の通りで、感染症になると、桿状核球の割合が増加し、15%を越えると左方移動と呼ばれる。
白血球分画における好中球の基準値
- 好中球(Neut) 40~60%
- 桿状核球(Stab) 2~10%
- 分葉核球(Seg) 40~70%