地域包括ケア病棟とは?
急性期治療を終え、症状が安定した慢性期や回復期の患者が、自宅や入居施設に戻るため、治療やリハビリテーションを受けることを目的としした病棟。
高齢化が進む日本社会において、患者が地域社会で自立した生活を送ることを促進するための取り組みとして平成24(2014年)より開始となった新しい病棟!
地域包括病棟の特徴
- 在院日数が60日以内なので入退院が多い。
- マルメのため高価な検査や薬剤が使用できない。
- 在宅復帰率70%以上が求められる
- リハビリテーションの提供が1日2単位以上と定められている
- 医師、看護師、リハビリスタッフ、MSWなど多職種と協力して患者のケアを行う。
地域包括病棟で働く看護師の役割
主な仕事内容
- バイタルサインのチェック
- 内服管理
- 経管栄養
- 褥瘡処置
- 点滴管理・TPN管理
- 療養上の世話(排泄・移動・清潔の援助など)
- 急変時の対応
- 1日数件の入院対応・退院対応
- 多職種(MSWやリハビリなど)と連携しながらの退院の調整
退院へ向けて栄養管理が重要
治療を終えて状態が落ち着いても、治療経過のなかで食欲が落ち、経口摂取が難しくなってしまう高齢者は少なくありません。基本経口摂取ができないと、在宅や老人ホームへの退院は困難なため、患者さんの嗜好や食べやすい形態、補助食品を検討し、補液が終了できる状態を目指します。
また、食欲があっても嚥下機能が低下している方も多いので、退院後の施設で提供可能な食事形態を確認しながら、食事形態の調整をSTと連携しながら行います。
入院・退院が多い
在院日数が60日と定められているため、入院対応・退院対応は毎日の様にあります。花子が働いていた地ケア病棟では、関連施設からの入院や急性期病院からの紹介があり、多い時で1日3件入院が入ります。
また、週明けにいっきに退院が決まることもあり、5人退院が重なることもありました。
そのため、リーダーは入院の指示受け、退院調整や処方薬の確認など大忙しです。部屋持ちも夕方の即入となれば、体制によっては残業になる可能性もあるでしょう。
多職種や家族との情報共有が重要
地ケア病棟は、在宅や施設へ退院できる患者の受け入れが前提ですが、ADL低下や認知機能の低下が進み、「元の施設に戻るのは難しい…」という方もおられます。
そのため、60日という期間の中で施設に帰れるADLまで回復可能なのか、他の介護の高めの施設を探すべきかをMSWやリハビリ、医師、患者家族と情報共有します。そして施設を新たに探すとなると金銭面や本人・家族の意向が重要となるので、本人・家族の意向を聞きながら主にMSWが中心となり、退院先の調整を行っていきます。
地域包括病棟の給料
一般病棟の看護師と同等の給料だと思って良いでしょう。
地域包括病棟に入職する前に注意すること!
地ケア病棟に入院される方の多くは高齢者のため、慢性疾患を複数抱えてる方が多く、急変も少なからずあります。そのため、看護師は、幅広い知識とスキルが求められます。
経験年数が浅かったり、ブランクがある場合には、指導体制が整っている病院か確認しておきましょう!
また入退院が多いので、入職先には入院件数や看護師の配置人数、残業の有無などを確認しておくと良いでしょう!