看護師は正社員として働く常勤以外にも、パートや派遣など多様な雇用形態があり、自分に合ったワークスタイルを選択することができます。
現在、厚生労働省の調査によると、看護師の雇用形態は正社員が82.4%、パート・アルバイトは11.8%、短時間正社員1.1%、派遣0.2%となっています。H26年時点で、160万人が現在看護師として働いていますから、非常勤として働く看護師の数もかなり多いことがわかります。
また、同じ調査では、再就職希望者のうち、パート・アルバイトとして復職を考えている人が5割に上り、正社員を上回ります。やはり家庭や子育てと両立を考える人に最も選ばれる働き方だと言えます。
パート・アルバイト勤務は確かに勤務時間の調整が出来たり、残業がなかったりと働きやすいイメージですが、実際はどうなのでしょうか?
給料や福利厚生の面では、正社員とどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、今後パートとして働きたいな…と考えている看護師さんのために、パートで働くメリット・デメリットをまとめてみました。
看護師がパートで働くメリット
勤務日数や勤務時間に融通が利く
これはパート勤務の一番のメリットです。
週2日~5日勤務など、自分が働きたい日数や曜日を指定できたり、勤務時間も午前中のみ、日勤のみなど、自分の働きやすい時間帯を選択することができるので、家庭や子供の都合にも合わせやすくなります。
残業が少ない
パートは時間給で、決められた時間内の勤務のため、残業は基本的にありません。正社員ではどうしても避けることのできないカンファレンスや委員会、看護研究などに参加することもないので、サービス残業もなく、余計なストレスもありません。
ただし、パートでも雑務や掃除などで残業(ひどい時はサービス残業)を押し付けられる職場もあるので、そこは注意して勤務先を選ぶようにしましょう。
責任ある仕事が少ない
働く施設によりますが、正社員の補助として日常生活上の援助(保清や移動など)を行うことが多いので、リーダーや受け持ちをしない分、看護師としてのプレッシャーは少なくなります。
そのため、ブランクがあっても働きやすく、今後常勤として本格的に復帰したいという人にとっても、パートとしてワンステップを踏むことで、感覚や自信を取り戻すことができます。
人間関係のストレスが少ない
常勤では時間に追われる分、そして勤務時間が長い分、周りとの関係が濃厚に、そして険悪になりやすくなります。
しかし、パートの場合には、常勤同士に比べて関係性はあっさりしているところが多いので、人間関係でのストレスも少なくなります。
看護師がパートで働くデメリット
給料が常勤に比べ少ない
正社員よりも勤務時間が短くなるため、もちろん給料は少なくなります。
また、ボーナスや昇給もないですし、正社員ではかなりの額になる諸手当(住居手当、調整手当、家族手当など)がなく、貰えても交通費程度なので、時給に換算しても常勤よりも低くなってしまいます。
しかし、看護師は国家資格がある分、一般の事務仕事と比較すればかなり時給も良いです!ハローワークなどで求人を探すとスーパーのパートなどでは時給800~1000円のところが多いですが、看護師の時給は1,200~1,800円にもなります。
時給1,500円で働いたとすると、9時~17時(うち1時間休憩)まで働けば、1日10,500円稼げるため、かなり家計の足しにすることができます。
福利厚生で不利
パートは有給休暇がない、産休・育休がない(取れない)など福利厚生の面でも不利になります。
また、社会保険(医療保険・厚生年金・介護保険・雇用保険など)も施設や労働条件によっては加入できないこともあるので、事前に自分の労働条件で加入することができるのか、事前に確認しておくことをおすすめします。
雑務が多い
パート勤務で多い業務は、保清・移動・入浴介助・検査介助・採血・診察介助などで、高度な医療技術を求められることは少なくなります。
そのため、物足りなさを感じる人や、常勤からあれこれ指示をうけて動くことにストレスを感じる看護師さんも少なくないようです。