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気管支喘息の病態
アレルギー反応で、慢性的に気道内が炎症し、気道が細くなっている状態。
そこから細菌・ウイルス感染などが原因となり気道内に浮腫・閉塞を起こすと、発作的に呼吸困難、喘鳴、咳などの呼吸器症状をきたす。
好発
10歳以下の小児と、40歳以上の成人
→50~70%は思春期までに自然治癒する。
原因
気管支喘息の原因はアレルギー反応で、自己免疫不全のひとつ。
喘息発作は、特定の物質アレルゲンによって引き起こされる。
症状
- 咳、痰、呼吸苦
- 喘鳴
- 呼気の延長
- Wheezes聴取:呼気時に“ヒューヒュー”“ピーピー”聞こえる。
症状 | SpO2 | 脈拍 | |
---|---|---|---|
小発作 | 苦しいが横になれる | 96%以上 | 100回未満 |
中発作 | 苦しくて横になれない | 91~95% | 100~120回 |
大発作 | 歩けない、話せない | 90%以下 | 120回以上 |
重篤発作 | 意識がない、呼吸がない | 90%未満 | 徐脈 |
発作時の対応ポイント
安楽な体位調整
起座位となり、腹式呼吸・口すぼめ呼吸を促す。
酸素投与
PO2 90%以上を目安に酸素投与を行う。この時、PCO2の上昇があっても酸素は下げない。
→高炭酸ガス血症よりも、低酸素血症の方が人体に及ぼす影響大!
薬剤投与
- 1,β刺激薬の吸入(ベネトリン)
β2受容体は気管支を拡張させる。
- 2,ステロイドの全身投与
気管の炎症を抑え、浮腫を改善させる。
- 3,テオフィリンの点滴投与
気管支拡張作用と抗炎症作用がある。
- 4,アドレナリン皮下注
β作用により気管支拡張させる。
小発作では吸入のみで改善することが多いが、中発作以降では、ステロイドやテオフィリンを使用し、それでも改善しない場合や緊急時にはアドレナリンを使用する。気道閉塞が著明の場合には、早急に気道確保する必要があり、気管内挿管や人工呼吸管理を行う。