術後合併症―呼吸器合併症

目次

1、気道閉塞

麻酔から覚醒するまで特に注意が必要な合併症。
手術直後には、麻酔薬や筋弛緩薬の影響による気道内分泌物や吐物の貯留、舌根沈下、抜管後の反回神経麻痺、挿入チューブの圧迫による声門浮腫などを要因として気道閉塞が起こることがある。
おもに手術室内の開腹室(リカバリールーム)でみられるが、手術室から病棟へ帰室する途中、あるいは帰室してからでも起こりうる。

観察

  • 呼吸数、呼吸のリズムと深さ
  • 酸素飽和度 ※術後は必ずモニター装着
  • 喘鳴、痰がらみ

気道閉塞予防のための対応

気道内分泌物が貯留しているとき

気道内の分泌物を吸引すると共に、患者に覚醒刺激を与える。

舌根沈下しているとき

肩枕をし、頭部後屈・下顎挙上として気道確保する。続く場合は、経口エアウエイあるいは経鼻エアウエイを挿入する。エアウエイでも気道確保困難な場合には、気管挿管を行うことも。

2、無気肺と術後肺炎

無気肺は、呼吸運動の抑制や道内分泌物の貯留によって末梢気管支が閉塞し、肺胞と外気との交通が遮断されて肺胞内に空気がなくなり、いわば肺胞がつぶれた状態となる。
無気肺が放置されると、分泌物内で細菌が繁殖して肺炎(術後肺炎)を引き起こす。細菌は免疫力の低下した患者にも侵襲の大きな手術が行われるため、上気道の常在菌が下気道に吸引されて、緑膿菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などが起炎菌となることも多い。

無気肺は、手術後36時間以内に発症し、術後肺炎はそれに遅れて手術後1週間前後で発症ることが多い。発熱・低酸素血症がみられたら、ただちに胸部X線を行い無気肺の有無を確認する。

観察

  • 呼吸音
  • 気道内分泌物の量・性状
  • 自己喀痰可能かどうか

無気肺・肺炎予防のための対応

適切な除痛

鎮痛剤を使用して痛みを取り除き、換気が妨げられないようにする他、咳嗽しやすくする。

気道の湿潤化

病室内は湿度が低いところが多いので、うがいをしたり、タオルで口を湿らせたりして、口腔内に湿りを与える。吸入で気道内分泌物を軟化させて喀出しやすくなる。

気道内分泌物の排泄を促す

普段自己喀痰可能なレベルでも、術後疼痛により咳嗽が妨げられるため、鎮痛剤を使用し適切な除痛を図るほか、吸入により気道内分泌の排泄しやすくする。

腹式呼吸を促す

創部を手で押さえて、あればトリフローやスーフルなどの呼吸訓練補助用具を用いて肺を十分に膨らませる。 これは術前にも肺活量を上げるために用いられる。

呼吸理学療法

気道内分泌物の多い患者や痰喀出が困難な患者に、気道内分泌物の除去と酸素化の改善を目的に行う。体位ドレナージ、徒手的呼気介助技(スクイージング)などを行う。

早期離床

横隔膜や胸郭の運動が促進させ、換気量が増えることで予防につながる。

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