呼吸の仕組み

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肺に空気を送り込む仕組み

肺は、胸郭という骨格(肋骨や胸郭、胸椎)に囲まれた臓器であり、底面は横隔膜という横紋筋に接している。
また肋骨の間には、外肋間筋(胸椎側~肋骨軟骨結合部まで)とそれと交差する内肋間筋(胸骨側~肋骨角まで)があり、これらの筋肉が呼吸の運動に大きく関係してくる。

呼吸に関係する筋肉

吸気時には、外肋間筋が収縮することで、肋骨の間の距離が短くなり、上下に並んだ肋骨は、上方に持ち上げられるように引き上げられる。
一方、ドーム状に胸腔側に突出している横隔膜は、収縮により下方に引き下げられる。

このとき、胸腔内の横幅、縦幅ともに増大しているため胸腔内の容積は増えて胸腔内の陰圧が強くなるのと同時に、肺胞内は大気圧より圧が低くなるそして、圧が大気圧と等しくなるまで肺胞内に空気が流れてくるため、これが吸気となる。

肺胞内圧と大気圧が等しくなると、外肋間筋と横隔膜は収縮をやめて、肺は自らの弾性で空気を押し出していき、これが呼気となる。
このため呼気は、筋力の使用もなく努力もいらない運動であるが、努力呼吸時や深呼吸時には、腹筋や内肋間筋が働く。

吸気時・呼気時の胸郭の動きイメージ

呼吸のメカニズム

1、換気

人は1回の呼吸(吸って、吐いて)で、おおよそ400~500㏄体内の換気をしている。これを1回換気量という。
この1回換気量のうち、すべてガス交換が行われているわけれはなく、気道中にとどまり肺胞まで到達できなかった空気はそのまま吐き出されている。
このガス交換に関与できない部位を死腔といい、死腔量は150㏄程度ある。

つまり実際に、ガス交換が行われている量は、1回換気量から死腔量を引いた量で、これを肺胞換気量と言う。

肺胞換気量=1回換気量ー死腔量

この換気量を調整しているのは、延髄で、酸素が足りなくなったとき二酸化炭素が多くなった時に呼吸を増やすよう命令し、その命令を受け取るのが、横隔膜や外肋間筋である。
また、大脳でも横隔膜や外肋間筋に働きかけることができるので、意識的に呼吸をしたり、呼吸を留めたりできるが、延髄からの命令が優先的であり、息を止めるにも限界がある。

2、拡散

拡散とは、分圧の高い方から低い方へと、酸素や二酸化炭素の移動が起こる現象のこと。この拡散によってガス交換が行わている。

拡散は、肺胞に取り込まれた酸素を毛細血管中に取り込み二酸化炭素を排泄する外呼吸と、ヘモグロビンと結合した酸素を、細胞へ受け渡して二酸化炭素を回収する内呼吸がある。

拡散(外呼吸と内呼吸)イメージ

酸素分圧の差について
肺胞内の酸素分圧は100mmHg、混合静脈血(肺動脈から肺に流れ込む静脈血)の酸素分圧は40mmHgなのでその差は60mmHg。この差によって酸素は肺胞から混合静脈血へ移動する。
一方、肺胞内の二酸化炭素分圧は40mmHg、混合静脈血は45mmHgで5mmHgの差があるので、二酸化炭素は混合静脈血から肺胞に移動する。

肺循環

換気や拡散により、全身に酸素を運搬できた血液は、また肺で酸素をもらわなければいけない。
そのために右心室を中心に行われている循環が、肺循環である。
肺循環とは、右心室から心臓のポンプで拍出された静脈血が、左右2本の肺動脈を通って肺毛細血管に送られ、酸素を多く含んだ動脈血に変って、肺静脈から左心房に到達する経路のことを指す。

体循環を行う左心室のポンプと、同時に拍出されていて、体循環と肺循環はそれぞれ隣同士で絶えず行われている。

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