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経管栄養の目的
経口摂取が困難な場合や、栄養が不十分な場合に、非経口的に管を通して直接胃または腸へ流動食や薬剤を注入する。
経管栄養の適応
消化管機能に問題はないが、経口摂取が困難な患者の栄養注入。
嚥下困難、意識レベルの低下など。
経管栄養の経路と特徴
経鼻栄養
長所
- 手技が簡単で、看護師でも経鼻栄養チューブ挿入可能(胃瘻や腸瘻は手術が必要)
- 自己抜去しても、合併症などのリスクが少ない。
短所
- 鼻からある程度の太さの管を通すので、患者の不快感がある。
- 自己抜去されやすい。
- 誤嚥性肺炎を起こしやすい
- 管が汚染されやすく、詰まりやすい。
- 長期の経管栄養には向いていない。
PEG(胃瘻)栄養
長所
- 皮膚から出ている長さが短く衣類で隠れるため、自己抜去の危険性が少ない。
- 管の交換までの期間が長い
- 患者の苦痛が少ない(違和感も少ない)
- 汚染や感染の危険性が少ない。
短所
- 手術をして胃に穴をあけるので、侵襲がある。
- 手術初期は、腹膜炎をおこす可能性がある。
- PEG挿入部位周囲の皮膚や粘膜に、圧迫による潰瘍や炎症が起こる危険性がある。
経腸栄養
長所
- 胃瘻が造設できなくても、腸の消化機能が問題なければ造設し使用できる。
- 違和感や痛みが少ない。
- 胃管より、栄養の逆流・誤嚥の可能性が低い。
短所
- 管が細く、胃瘻よりは詰まりやすい。
- 腸には胃内のようにものを貯めておくことができないので、速く注入すると、下痢やダンピング症状を引き起こす危険性がある。
- 腹膜炎のリスクがある