目次
膀胱留置カテーテルの目的
持続的に体外へ尿を排泄させる。
膀胱留置カテーテルの適応
- 尿路通過障害がある場合
- 会陰部の尿による汚染を予防する場合
- 全身の安静が必要な場合
- 体液のバランス管理で時間尿を正確に知りたい場合
必要物品
膀胱留置カテーテル(14~16Fr)、畜尿パック、手袋、攝子、綿球、シャーレ、滅菌ガーゼ、キシロカインゼリー、処置用シーツ、カフ用滅菌蒸留水5~20ml、カフ用カテーテルチップ
膀胱留置カテーテルの種類
膀胱留置カテーテル(フォーリーカテーテルとも言う。)は、素材としてラテックスとシリコンがある。
ラテックス
茶色のゴム色をしているカテーテル。
柔らかく挿入中の違和感が少ないが、シリコンと比較し閉塞しやすい。
シリコン
透明な素材のカテーテル。
ラテックスと比べ、硬く挿入中の違和感があるが、閉塞しにくい。
また、膀胱や尿道への刺激も少ないとされる。
膀胱留置カテーテルの挿入手順・手技
- 患者に処置の目的を説明し、同意をもらう。
- ワゴンに必要物品をのせ、患者のものへ行く。
- カーテンを閉める。
- 仰臥位になってもらい、下着、下の衣類を腰の下まで下げ、臀部に処置用シーツを敷く。
【女性】膝を立て、股関節を開いてもらう
【男性】膝は伸ばしたまま、股関節を開いてもらう - カテーテル挿入まで、掛物をかけて露出は最小限にする。
- 手洗い・手袋を装着し、無菌操作で必要物品を準備する。
・畜尿バックを開封し、クレンメを閉じる。
・バルーンカテーテルの接続側を開封し、畜尿パックと接続する。
・滅菌蒸留水を入れたカテーテルチップを接続する。
・シャーレの中に綿球・消毒液を入れておく。 - 物品を使いやすい位置に配置する。
- <女性>利き手と反対側の手で小陰唇を開き、利き手で攝子を保持。
※小陰唇から挿入を終えるまで手を絶対離さない!
<男性>左手で陰茎を90度に持ち上げる。 - <女性>尿道から膣口に向かって1方向に3回綿球を変えて消毒。
<男性>外尿道口を円を描くように3回綿球を取り換えながら消毒。 - カテーテルを攝子で持ちキシロカインゼリーを塗布する。
- <女性>カテーテルを3~4㎝挿入する。
<男性>カテーテルを10~15㎝挿入したら、少し抵抗を感じるところで60度の角度に戻してさらに2~5㎝挿入する。前立腺あたりで抵抗を感じる場合は、陰茎を引き上げる力を強めて挿入する。
※無理に挿入すると粘膜損傷し出血するため、無理に挿入しない! - 尿の流出が確認できたら、さらに2~3㎝カテーテルを進める。
- 滅菌蒸留水をバルーンに注入する。
- カテーテルを軽く引き、抜去されないことを確認する。
- 患者に疼痛や不快感がないか確認する。
- カテーテルはテンションがかからないよう、たるみを持たせて大腿または下腹部にテープ固定する。
- 患者の衣類を整える。
- 物品を片付ける。