膀胱留置カテーテル(1)基本と挿入手順

目次

膀胱留置カテーテルの目的

持続的に体外へ尿を排泄させる。

膀胱留置カテーテルの適応

  • 尿路通過障害がある場合
  • 会陰部の尿による汚染を予防する場合
  • 全身の安静が必要な場合
  • 体液のバランス管理で時間尿を正確に知りたい場合

必要物品

膀胱留置カテーテル(14~16Fr)、畜尿パック、手袋、攝子、綿球、シャーレ、滅菌ガーゼ、キシロカインゼリー、処置用シーツ、カフ用滅菌蒸留水5~20ml、カフ用カテーテルチップ

膀胱留置カテーテルの種類

膀胱留置カテーテル(フォーリーカテーテルとも言う。)は、素材としてラテックスとシリコンがある。

ラテックス

茶色のゴム色をしているカテーテル。
柔らかく挿入中の違和感が少ないが、シリコンと比較し閉塞しやすい。

シリコン

透明な素材のカテーテル。
ラテックスと比べ、硬く挿入中の違和感があるが、閉塞しにくい。
また、膀胱や尿道への刺激も少ないとされる。

この2種類の中にも、さらに粘膜への刺激を少なくしたものや、感染しにくくした製品などが販売・使用されている。
カテーテルの交換時期の目安位は、2~4週間程度とされているが、製品によって異なる。シリコン製のものであれば1ヶ月交換不要なものある。

膀胱留置カテーテルの挿入手順・手技

  1. 患者に処置の目的を説明し、同意をもらう。
  2. ワゴンに必要物品をのせ、患者のものへ行く。
  3. カーテンを閉める。
  4. 仰臥位になってもらい、下着、下の衣類を腰の下まで下げ、臀部に処置用シーツを敷く。
    【女性】膝を立て、股関節を開いてもらう
    【男性】膝は伸ばしたまま、股関節を開いてもらう
  5. カテーテル挿入まで、掛物をかけて露出は最小限にする。
  6. 手洗い・手袋を装着し、無菌操作で必要物品を準備する。
    ・畜尿バックを開封し、クレンメを閉じる。
    ・バルーンカテーテルの接続側を開封し、畜尿パックと接続する。
    ・滅菌蒸留水を入れたカテーテルチップを接続する。
    ・シャーレの中に綿球・消毒液を入れておく。
  7. 物品を使いやすい位置に配置する。
  8. <女性>利き手と反対側の手で小陰唇を開き、利き手で攝子を保持。
    ※小陰唇から挿入を終えるまで手を絶対離さない!
    <男性>左手で陰茎を90度に持ち上げる。
  9. <女性>尿道から膣口に向かって1方向に3回綿球を変えて消毒。
    <男性>外尿道口を円を描くように3回綿球を取り換えながら消毒。
  10. カテーテルを攝子で持ちキシロカインゼリーを塗布する。
  11. <女性>カテーテルを3~4㎝挿入する。
    <男性>カテーテルを10~15㎝挿入したら、少し抵抗を感じるところで60度の角度に戻してさらに2~5㎝挿入する。前立腺あたりで抵抗を感じる場合は、陰茎を引き上げる力を強めて挿入する。
    ※無理に挿入すると粘膜損傷し出血するため、無理に挿入しない!
  12. 尿の流出が確認できたら、さらに2~3㎝カテーテルを進める。

女性は尿道の長さが3~4㎝で、挿入長さは5~6㎝が目安。
男性は尿道の長さが15~20㎝で、挿入長さは20㎝程度が目安

  1. 滅菌蒸留水をバルーンに注入する。
  2. カテーテルを軽く引き、抜去されないことを確認する。
  3. 患者に疼痛や不快感がないか確認する。
  4. カテーテルはテンションがかからないよう、たるみを持たせて大腿または下腹部にテープ固定する。
  5. 患者の衣類を整える。
  6. 物品を片付ける。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次