目次
胃瘻造設後の栄養開始時期
- 胃瘻造設後、2~5日目を目安に医師の指示のもと栄養を開始できる。
- 胃瘻造設直後まで経鼻胃管からの栄養投与を行い絶食期間が短ければ、胃瘻造設直後から使用できる。
- 最初は微温湯から始め、腹部膨満や瘻孔からの漏出などのトラブルがなければ少しずつ高エネルギー・高タンパクの栄養に変更していく。
必要物品
- 栄養剤
- 栄養バッグ
- フラッシュ用の白湯
- フラッシュ用のカテーテルチップ
- 接続チューブ
※カテーテル型の胃瘻チューブの場合は不要 - 手袋・マスク
- 栄養バッグを立てるスタンド
【薬剤投与時】
- 処方された薬剤
- 簡易懸濁を行うボトルやカップ
- 55℃のお湯(90℃以上のお湯と水を2:1で合わせるとだいたい55℃)
- カテーテルチップ
- 接続カテーテル
胃瘻からの栄養投与方法
手順
- 必要物品を準備する。
- 手指衛生後、手袋・マスクを装着する。
- 栄養剤の指示を確認し、栄養剤を栄養バックに入れる。
- クランプを解除し、チューブの先端まで栄養剤を満たす。
- 患者のもとに準備した栄養剤を持っていきスタンドにかける
- 患者に栄養開始を伝える。
- 気道内分泌物が多い患者の場合は、気管吸引をする。
- 頭部を30度~90度挙上する。
患者の姿勢がくずれやすい場合には、枕等を使い体勢を整える。
- 患者の準備ができたら、胃瘻カテーテルと栄養剤チューブをしっかり接続する。
- クレンメを開放し、指示の速さで栄養剤を滴下する。
- 投与中は、投与速度、姿勢の崩れ、チューブの接続・漏れ、呼吸状態に注意して観察を行う。
- 栄養が終了したらクレンメを閉じ、微温湯20~30mlでカテーテル内をフラッシュし、洗浄する。
- 【内服薬がある場合】簡易懸濁法で薬剤の準備をする。
- 専用のボトルに、55℃(90℃以上のお湯:水=2:1)20mlのお湯を用意し、その中に内服薬をすべて入れて、10分放置して溶かす。
- 薬を溶かした薬をカテーテルチップに吸い、胃瘻チューブに接続して注入する。
- 薬剤注入後にも20~30mlの微温湯でフラッシュして洗浄して胃瘻のボタンを閉じる。
- 患者に終了を伝える。
- 投与後も栄養剤の逆流防止のため、30分~1時間程度は頭部挙上を継続し、嘔吐・下痢、腹痛、胃瘻からの栄養剤の漏れ、呼吸状態の観察を行う。
- 後片付けを行う。
栄養バック・カテーテルチップの消毒方法
栄養バックもカテーテルチップも基本はディスポが望ましいが、繰り返し使用しなければいけない場合には、中性洗剤で目に見える汚れを十分に洗浄してから、次亜塩素酸Na(ミルトンなど)につけて消毒する。
ミルトンの正しい使い方
ミルトンは、1時間以上浸けることで消毒は完了するので、乾燥の必要はなく、逆にほこりの付着などの原因にもなるので、使用直前に取り出す!その後、臭いが気になれば水ですすいでも良いが、ミルトンの成分は栄養剤のタンパクと反応してNa(塩)になるので基本、すすぐ必要はない!