まず、血液検査時に必要な検体が違う。
この3つ、どれを調べるかによってもスピッツは違う。
全血・血漿・血清の検体をより早く、そして確実に取り出すために、スピッツの中には薬剤が入っていたり、逆に何もはいっていない採血管(プレーン管)がある。
スピッツに入っているおもな薬剤は次の4つ。
栄養状態、肝機能、腎機能、電解質などをみることができる。診断基準となったり、入院時のルーチンとして必須の検査であるため、採血頻度は最も高い。
必要検体:血清
※血清分離剤・凝固促進剤(凝固促進フィルム)入り
抗凝固剤:なし
主に赤血球や白血球などの血球数をみる 。
必要検体:全血
抗凝固剤:EDTA-2K(粉状)
血糖とHbA1Cを測定。
必要検体:全血
抗凝固剤:フッ化ナトリウム(解糖防止作用もあり)
血液型を調べることができる。
必要検体:血清・血球
抗凝固剤:EDTA-2K(粉状)、プレーン管を使用することもある。
血液型検査では、血清だけではなく血球も使用するため、血清分離剤や凝固促進剤は使わずに、抗凝固剤を使う。
プロトロンビンやトロンビンなどの凝固の働きをみる。
必要検体:血漿
抗凝固剤:クエン酸ナトイウム(液状)
赤血球が沈む速さを測定することで、感染性疾患や膠原病などを鑑別できる。
必要検体:全血
抗凝固剤:クエン酸ナトリウム(液状)
HBV・HBCなどの感染症、腫瘍マーカー、甲状腺機能などを調べることができる。
必要検体:血清
※血清分離剤・凝固促進剤(凝固促進フィルム)入り採血管orプレーン管
抗凝固剤:なし
心臓から分泌される酵素で、心機能を評価することができる。
必要検体:血漿
抗凝固剤:EDTA-2K(粉状)
電解質、染色体分析に適している。
また、心筋梗塞の鑑別につ使われる心筋酵素H-FABPの測定などに主に用いられる。アンモニアも測定できるが、EDTA-2K入りでも測定可能。
必要検体:血漿
抗凝固剤:へパリンNa