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カテコラミンとは?
カテコラミンはカテコールアミンとも呼ばれる副腎髄質ホルモンで、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミンが知られている。

副腎髄質は、交感神経で支配されており、交感神経の緊張により、血中にカテコラミンが放出される。
放出されたカテコラミンは血管・心臓・気管支・腎血管にある、α1、α2、β1、β2受容体にそれぞれ作用する。
カテコラミン受容体

1、アドレナリン
商品名:アドレナリン・ボスミン・エピネフリン
- 強力なα、β1作用あり。
- 末梢血管収縮と冠動脈拡張作用あり。
- β2作用もあり、気管支拡張作用あり、喘息発作にも用いられる。
2、ノルアドレナリン
- 強力なα、β1作用。
- 強力に血圧を上げる。
- アナフィラキシーショックや敗血症ショックなど、末梢血管拡張させるショック時に有効
- 後負荷が大きいため、心疾患時特に収縮不全の場合には使いにくい。
3、ドパミン(DoA)
商品名:プレドパ・イノバン
- β1作用による強い強心作用あり。
- 前負荷が少ないため、心疾患でも使いやすい。
- 容量によって作用が異なる
低用量:1~3㎍/kg/分以下
→ドパミン600㎎ 投与速度1~3ml/h(体重50㎏の場合)
β作用により、腎動脈拡張し利尿作用が期待できる。心収縮力も少しはある。
中用量:3~10㎍/kg/分
→ドパミン600㎎ 投与速度3~10ml/h(体重50㎏の場合)
α・β1作用により末梢血管の収縮と心収縮の増大により血圧上昇。利尿作用はなくなると考えていい。
高容量:10㎍/kg/分以上
→ドパミン600㎎ 投与速度10ml/h以上(体重50㎏の場合)
α作用が強く、血管抵抗が上昇し、血圧上昇がみられる。
後負荷が増大するため、さらに心収縮力を上げたい場合には、ドブタミンなどの血管拡張薬との併用を考慮する。
4、ドブタミン(DoB)
商品名:ドブトレックス
- 体内では分泌されていない合成カテコラミン。
- 強力なβ1刺激作用をもつ。
→DoAよりも強心作用が強い。 - 心拍数の増加と血圧の上昇が少なく、後負荷が少ないため虚血性心疾患や右心不全で使いやすい。