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輸液ポンプの使用方法

輸液ポンプとは

輸液ポンプとは、一定の速度で薬液を持続的に投与するための医療機器のこと。より安全で確実な輸液管理を行うときに用いられる。

輸液ポンプの適応

1、輸液流量の厳密な管理が必要なとき

2、輸液のバランス管理が重要なとき

3、輸液流量を一定に保ちたいとき

手動滴下は、残量や体位で滴下速度が変化するため、シリンジポンプ側からの投与速度に影響を与えてしまう。

4、手動滴下管理が困難な場合

患者の体動で、容易に滴下速度が変化してしまうため。

輸液ポンプの仕組み

参考:テルフュージョン輸液ポンプTE-161S(テルモ)

各種スイッチ・表示

輸液ポンプ各種ボタン

内部構造

輸液ポンプの内部構造

輸液ポンプ使用時の必要物品

輸液ポンプの操作手順

  1. 必要物品を準備する。
  2. 輸液セットを準備する。
  3. 点滴筒・点滴ルートに薬液を満たし、クレンメする。
  4. 輸液ポンプを、点滴スタンドにセットする。
  5. 輸液ポンプの重みで、倒れるのを防ぐため、高さ調節のネジより下に取り付ける!
    点滴スタンドの脚の真上に来るように設置する!これも点滴スタンド転倒防止のため。
  6. 輸液セットと輸液ポンプをセットした点滴スタンドをベッドサイドへ運ぶ。
  7. 患者に投与薬剤や目的を説明し、同意を得る。
  8. 患者の氏名やID、薬剤・投与経路などを確認する。
  9. 輸液ポンプに電源コードを接続し、コンセントプラグにつなぐ。
  10. 手指消毒後、手袋を装着する。
  11. 静脈内留置針に輸液ルートを接続する。
  12. ドレッシング材で固定する。
  13. 輸液ポンプのドアを開け、電源を入れる。
  14. この時、輸液ポンプが自動的にセルフチェックを行うので、異常がなければ、正しい表示が出たり、ドアオープンアラームがなる(機種により異なる)。
  15. 輸液ルートの上流・下流を確認する。
  16. 解除レバーを押して、チューブクランプを解除する。
  17. 輸液ルートを輸液ポンプの溝に強く押し込むようにして、たわまないよう真っすぐセットする。
  18. 輸液セットのクレンメは輸液ポンプの下流側にくるようにする。
  19. ドアを閉め、ロックする。
  20. 医師の指示を確認し、『流量』を設定する。
    【流量設定】スイッチを押し、【UP】【DOWN】スイッチで数値を設定する。
  21. 医師の指示を確認し、『予定量』を設定する。
    【予定量】スイッチを押し、【UP】【DOWN】スイッチで数値を設定する。
  22. 流量と予定量の入力ミスは非常に多いので、特に注意する!
  23. 『流量』『予定量』を見直す。
  24. 輸液から点滴刺入部まで全体に間違いがないか確認する。
  25. クレンメを開き、【開始】スイッチを押す。
  26. 輸液開始後も、刺入部や残量を適宜確認する。

早送りする

  1. 【停止】スイッチを押し、滴下を停止する。
  2. 【早送り】スイッチを押しながら、早送りをする。
    スイッチを押し続けている間、ブザーが鳴り早送りされる。早送り量は、積算量に加算されて表示される。(※機器により加算されないものもある)
  3. 滴下を再開する場合は、【開始】スイッチを押す。

輸液が完了したら

  1. 滴下が終了すると、完了の表示が点滅してアラームが鳴る。
  2. 【停止・消音】スイッチでアラームを解除する。
  3. 電源を切る。
  4. クレンメを閉じて、輸液セットを外す。
  5. 使用後は、汚れを拭き取ったり、MEに連絡するなどの管理も忘れずに!

輸液ポンプのアラーム対応

気泡混入アラーム

→輸液ルート内に気泡が混入した場合に鳴る。

  1. 【停止・消音】スイッチを押し、クレンメを閉じる。
  2. ドアを開け、輸液ルートを外す。
  3. 気泡を確認したら、ルートを指で弾くか、ルートを指に絡ませ、エアーを押し上げて取り除く。

閉塞アラーム

→クレンメやルートの屈曲により、輸液ルートが閉塞している場合に鳴る。

  1. 【停止・消音】スイッチを押す。
  2. 閉塞の原因を探し、取り除く。

閉塞の原因

クレンメや三方活栓による閉塞
確認後、開放する。
輸液ルートの屈曲・圧迫による閉塞
屈曲・圧迫を解除し、再開する。
静脈ライン内での血液凝固・薬剤結晶による閉塞
血液の逆血を確認し、完全に閉塞している場合には、留置針を入れ替える

バッテリ低下アラーム

→AC電源コードが外れて、バッテリー容量が低下している時に鳴る。
ただちにAC電源に接続し、充電する。

ドアオープンアラーム

→ドアが開いている時に鳴る。
ドアを閉める。

輸液ポンプの注意事項

輸液チューブは24時間ごとに位置をずらして使用する!
チューブがつぶれて変形すると流量が少なくなるため。
輸液からポンプまでの回路を少したるませておく!
輸液バックから漏れた薬液が機器に付着するのを防ぐため。もし薬液が付着した場合は、すぐにふき取る。
目視での滴下確認を行う!
薬剤の粘性などで輸液量が微妙に変化することがあるため。

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