目次
舌下薬の目的と特徴
- 口腔粘膜から血中に吸収させる。
- 溶けるのが非常に早く、1~2分で効果が出現する。
- 肝臓での初回通過効果を受けない。
- 主に狭心発作の改善や予防目的で使用される。
代表的な舌下薬
ニトログリセリンの錠剤
商品名:ニトログリセリン錠、ニトロペン錠、二トロール錠
作用:心筋に血液を運ぶ冠動脈や、静脈・動脈を拡張させる。
作用時間:1~2分で効き始め、30分持続
ニトログリセリンのスプレー剤
商品名:ミオコールスプレー、二トロールスプレー
作用:ニトログリセリンの錠剤と同じ。
作用時間:1~2分で効き始め、60分持続
舌下薬の投与
必要物品
- 指示の舌下薬
- 指示箋
- コップ(水入り)…唾液が不足している人用
- 血圧計
- (12誘導心電図)
- ディスポ手袋
手順
- 指示箋を見ながら必要薬剤と物品を準備する。
- 患者・家族に、薬剤の使用方法や効果・副作用を説明し、同意を得る。
- アレルギーの有無を確認する。
- 舌下薬の性状・破損を確認する。
- 血圧を測定。狭心発作ほ場合には、12誘導心電図を実施して投与前の波形を確認しておく。
- 舌下薬の注意点を患者に説明する。
・舌の下(裏)で溶かす薬であること
・飲み込んでしまうと、効果が得られないこと
・血圧が低下する作用があり、めまいや頭痛を引き起こす可能性があることなどを説明しておく。 - 投与直前に指示箋と薬剤をもう一度確認する。
- 手指衛生後、ディスポ手袋を装着。
- 患者の体位をファーラー位、座位にする。
- 患者に、舌を上顎裏に付けてもらう。
- <錠剤>舌下中央に薬剤を入れて、薬を溶かしてもらう。
高齢者は、唾液の分泌量が少なく溶けにくいときもあるため、口腔内が乾燥している場合には、唾を出して溶かすか、事前にうがいをしてから投与すると良い。
<スプレー>噴出口を口から約2㎝に近づけて舌の裏に噴出する。この時、息は止めてもらい、噴出後には口を閉じてもらう。
- 投与後の症状観察、心電図チェックを行う。
- 症状の改善が見られない場合には、医師の指示に従い、追加投与を行う。
効果がなかったとき追加投与できる間隔
<ミオコールスプレー/二トロールスプレー>
3分間隔を空けて、もう1回(1噴出)だけ追加可能。
<ニトログリセリン錠/ニトロペン錠>
5分間隔を空けて、計2回まで追加投与可能(基本3錠まで)。