目次
ショックの定義
「生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果、重要臓器の血流が維持できなくなり、細胞の代謝障害や臓器障害が起こり、生命の危機に至る急性の症候群」 と定義されている。
つまり、なんらかの原因によって、生きるのに必要な血液を細胞が受け取ることができず、死に直面している状態。
ショックの4つの分類
循環血液量減少性ショック
血液の減少により、生体に必要な循環血液量が維持できず、臓器障害から生体活動が困難になった状態。
- 出血性ショック
- 体液喪失
心外閉塞・拘束性ショック
心臓は元気だが、心臓の外で起きた問題により、心臓のポンプ機能が障害されて、心拍出量が保てなくなった状態。
- 心タンポナーデ
- 収縮性心膜炎
- 重症性肺塞栓症
- 緊張性気胸
血液分布異常性ショック
循環血液量は変わっていないが、過度な血管拡張により、増大した血管内容積に対する血液量が少なくなり、組織に十分な酸素供給ができなくなった状態。
- 敗血症性ショック
- アナフィラキシーショック
- 神経原性ショック
心原性ショック
心臓の障害によりポンプ機能が維持できず、全身に必要な血液量を拍出できなくなった状態。(→心原性ショックの病態をみる)
- 心筋性
- 機械性
- 不整脈
ショック症状
ショックの5Pと呼ばれる!
- 顔面蒼白
- 脈拍触知不能(微弱速脈)
- 冷汗
- 呼吸不全
- 虚脱(脳血流の減少)
これらの症状は交感神経の働きにより、末梢血管の収縮により起こる。
冷汗も、交感神経が汗腺広げるために発汗する。
ショックの重症度評価
小川のショックスコア | ||||
---|---|---|---|---|
0 | 1 | 2 | 3 | |
収縮期血圧(mmHg) | >100 | 80~100 | 60~80 | <60 |
脈拍数(/分) | <100 | 100~120 | 120~140 | >140 |
BE(mEq) | -5~+5 | ±5~10 | ±10~15 | >±15 |
尿量(ml/h) | >50 | 25~50 | 0~25 | 0 |
意識状態 | 清明 | 興奮~ 軽度の応対遅延 | 著明な 応対遅延 | 昏睡 |
各項目の合計点が
0~4点:非ショック
5~10点:軽度~中等症ショック
11~15点:重症ショック
と評価される。